論文試験はどの公務員試験でも行われます。そのため、対策が必ず必要となります。ところが論文は、問題集を解いて答え合わせをすれば済む試験ではありません。書いたものが良いのか悪いのか、自分では判断できないからです。筆記試験のように点数がすぐ出るわけでもなく、何をどこまでやれば足りるのかが見えにくい試験でもあります。

こんな悩みはありませんか
  • 何から手をつければよいか
  • 書いた論文の良し悪し
  • 対策を始める時期
  • 新聞を読む時間がない
ケン
ケン

論文って、たくさん書けば上手くなるものですか。

ユウ
ユウ

書く量も大事ですが、それだけだと間違った書き方のまま上達してしまうんです。

ケン
ケン

自分では気づけないということですか。

ユウ
ユウ

そうなんです。私も自信作を出したら、赤ペンだらけで返ってきました。

前回の記事 論文試験の種類 では、論文試験にどのような種類があるのかを書かせてもらいました。今回の記事では「論文試験の対策」について書かせてもらいます。行うべきことを確認し、しっかりと対策を行っていきましょう。

論文試験の概要と始める時期

論文試験の概要 5種類で試験時間は60分から

対策の話に入る前に、論文試験の概要について改めて説明します。どれくらいの時間で、どれくらいの量を書くことになるのかが分かっていないと、練習のしようがありません。あわせて、いつから対策を始めればよいのかもここで触れておきます。始める時期を知っておくだけでも、気持ちがずいぶん楽になるはずです。

論文試験の5つの種類

論文試験には作文、小論文、専門記述、政策論文、総合論文の5つの種類があります。それぞれの中身と、どの試験で出題されるのかは 論文試験の種類 にまとめています。

試験時間と文字数

試験時間は60分から80分程度、文字数は800字から1,200字程度で出題されます。練習で書くときも、この時間と量を目安にしておくと本番の感覚がつかめます。

対策を始めるのは4か月前から

実際に文章を書いたりして対策を行うのは、試験の4か月前くらいから始めるのがいいようです。私が受講していた公務員講座でも、それくらいから対策が始まりました。

4か月前くらいからでも試験までに対策を行う時間は十分ありましたし、1次試験の範囲のインプットが終わるくらいのタイミングなので、ちょうどいいかなと思います。勉強の全体の組み立て方は 勉強計画の立て方 を参考にしてください。

論文対策に予備校をすすめる理由

論文試験は評価の基準が見えない

冒頭でも書かせてもらいましたが、試験の対策には予備校を利用した方がいいと考えます。以前に 面接試験の対策 を書かせてもらいました。そこでも予備校の講座を利用することをおすすめしていますが、論文試験対策も同じ理由で、独学で行うことが難しいからです。何が難しいのかを、順番に説明していきます。

評価の基準が分からない

採点等について明確な基準が不明で、どのような論文が評価されるのか分かりません。予備校ではどのような論文が評価されるのか、過去の多くの情報の蓄積から把握しています。このような情報を個人的に集めることはとても難しいです。

論文対策の独学と予備校の比較表 評価の基準 書き方の基礎 書いた論文 始める時期
論文対策における独学と予備校の違い

論文試験の基礎が学べる

多くの情報を持っている予備校の講座を利用するメリットとして、私が思うのは2点です。1つ目が、論文試験の基礎等が学べることです。

講義の中で論文の書き方や出題される課題等、論文試験についての基礎知識を学ぶことができます。論文試験の対策や、本番の試験に臨むにあたって、基礎の知識があるかどうかはとても重要です。そのような知識を得られることは、かなり有利になります。また、私のように論文が苦手な受験生にとっては、基礎知識を得ておくことは必須と考えてもいいと思います。

自分の書いた論文を添削してもらえる

2つ目のメリットです。ほとんどの講座では、模擬試験を行い実際に論文を書く機会があります。そして、その論文を添削し、どのように書くべきかを教えてもらえるのです。

どのような論文がより得点できるのか、多くの情報を持っている予備校のプロの目線で採点してもらえるため、非常に重要な機会を得られます。

プロに見てもらって大きく直された話

私も公務員講座の論文試験対策の講義を受け、模擬試験で論文を書きました。自分の中ではよく書けたと思っていたのですが、講師の方の採点がされた際、とても驚きました。多くの箇所が赤ペンで直されていました。とてもショックを受けました。

講師の方に言われた言葉

このまま本番を迎えていたら危なかった。

このことから分かったことは「プロの方に見てもらうことが大切」ということです。自分ではよく書けてると思っていましたが、プロの目線ではクオリティの低い論文という評価でした。

ケン
ケン

自信があったものほど、危ないということですね。

ユウ
ユウ

そうなんです。同じ講座の同級生にも、同じような評価の人が何人もいましたよ。

独学で対策を行う場合

独学なら4つの対策を行う

予備校の講座を利用することをおすすめしていますが、事情があって独学で進める方もいると思います。そこで、もし独学で対策をする場合に行うことについて書いていきます。私が普段から行ってみて効果があったこともありますので、参考にしていただけたらと思います。やることは4つです。

独学で行う4つの対策 過去問の確認 見本を読む 政策を調べる 新聞を読む
独学で行う4つの対策

過去の出題内容を確認する

どの論文試験にも共通していることですが、まずは過去にどのような課題が出題されたのか確認することが大切です。自分が受験する官庁や役所について、過去の出題内容を確認しましょう。ホームページ等で過去の出題内容を確認することができます。

出来上がっている論文を読む

こちらもどの論文試験にも共通しています。参考書等に載っている見本の論文を読んで、基本的な書き方を学びましょう。

論文試験では「序論→本論→結論」というのが基本的な構成です。見本の論文を読む際に、この構成を意識しながら読むととても良いと思います。

実際に時間を計って書いてみる

参考書等で基本的な書き方を理解したら、自分が志望している官庁や役所の過去に出題された課題をもとに、実際に論文を書いてみましょう。

その際、時間を計り、実際の試験時間と同じ時間で書いていくと、本番でどれくらいのペースで書けばいいか分かるため、とても効果的です。

ホームページ等で政策を確認する

主に小論文の対策になりますが、自分が受験する官庁や役所で、どのような政策を行なっているのか確認しましょう。ホームページ等に公開されているため、検索して確認しましょう。

県庁や市役所の論文試験では、その時に行なっている政策についての課題が出題されることが多いです。どのような政策を行なっているのかを確認し、その政策に対して自分の考えを持っておくようにしましょう。

政策を調べず後悔した話

私は政策等をしっかりと調べなかった事により、市役所の論文試験で後悔したことがありました。私が大学4年生での1回目の受験の際、とある市役所の論文試験を受験しました。その時の出題された課題が「〜市の〜商店街を活性化するにはどのような取り組みを行うべきか」というような内容でした。

その商店街というのは現在いわゆるシャッター通りとなっているのですが、昔は非常に栄えていました。その市にとって観光地となっている場所で、ニュースでも活性化するためにはどうすべきなのか頻繁に取り上げられていました。その市においても、その商店街を活性化するための政策がとられていました。そしてホームページにしっかりと載っていました。

私はそのような政策のことを知らず、知識も無いため、ありきたりなことを書くことしかできませんでした。ちなみに、この商店街については面接でも聞かれていました。その市においてこの商店街は、それくらい大きな問題だったのだと思います。

ケン
ケン

論文でも面接でも同じところを聞かれたんですね。

ユウ
ユウ

はい。だから調べてさえいれば、2回とも得をしていたはずなんです。

もし事前に政策のことを調べて自分の考えを持っていれば、論文試験でも面接試験でも政策の話を前提に具体的な取り組みのことを書き、話すことができ、その市のことをよく調べているという良い印象を持ってもらえたはずです。

「ホームページは1度は見ておいた方がいいかな」と自分で考えてはいましたが、結局やらずに試験本番を迎え、そしてそれが原因で書けるはずだったものが書けなくなるということが起きました。とても後悔しています。他にやるべき対策があり、とても忙しいとは思いますが、どこかで時間を見つけてホームページ等で政策を確認しておくことをおすすめします。

新聞と時事で情報を集める

新聞は社説だけでも毎日読む

独学で行う4つ目の対策が、新聞等での情報収集です。これは主に小論文の対策になります。こちらについては試験の4か月前くらいからではなく、日々行うことをおすすめします。論文試験では社会問題や環境問題等、その時の大きな話題となる内容が出題されることが多いためです。

毎日新聞を読んで話題を押さえる

毎日新聞を読み、その時の大きな話題について確認しましょう。とは言いましたが、実際に毎日読むとなると結構な負担となります。理想は毎日読むことなのですが、新聞も結構なボリュームです。

日々必死に勉強をしていく中で、新聞をしっかり読むのは厳しいと思います。私もそうでした。そのような方におすすめする方法で、実際に私もやっていたことが2つあります。

社説やコラムに絞って読む

この方法は情報収集という意味もあるのですが、読みやすい文の構成を身につけてもらう方法になります。新聞の社説やコラムは政治、経済、社会などの話題について書かれています。また、その新聞社としての考えにもなるため、非常に力が入っていて、文章の構成もしっかりしたものです。

社説やコラムを読めば現在話題となっているのは何かを把握でき、さらにはプロの方の文章の書き方を学ぶことができます。

私が受験生の時は、毎日最低でも社説やコラムだけは読みつつ、それに加え新聞の1面にサラッと目を通してました。新聞の1面には現在の大きな話題が載っているため、見出しだけとりあえず目を通し、もし気になれば内容も読むという形です。このやり方であれば時間もそこまでかからず、それでいて大きな効果があるはずです。

速攻の時事を読む

新聞を読むのと併せておすすめしたい方法が、「速攻の時事」を読むという方法です。教養科目等の時事問題の対策のテキストとして出ているもので、その年の政治、経済、社会などの話題についてかなり分かりやすくまとめられています。

もともとは時事問題の対策のためのテキストなのですが、論文試験の対策としても使えます。話題毎に1つ1つ単元が分かれていて、1つの単元を読むのにそこまで時間はかかりません。私は新聞を読むような感覚で毎日1つずつ単元を読んで、試験までに何周か繰り返し読んでいました。

時間がない人の続け方
  • 新聞は社説とコラムだけ読む
  • 1面は見出しだけ目を通す
  • 速攻の時事を毎日1単元ずつ
  • 論文と時事の対策を同時にできる

この速攻の時事ですが、毎年2月頃に改訂版が発売されます。改訂版が出るまでは社説やコラムを読んでおいて、改訂版が出てから社説やコラムと併せて速攻の時事を読んでいく、という方法でもいいですし、前年の速攻の時事を先に買い、社説やコラムと併せて早めに読み始めるのもいいと思います。当時私は新聞は紙媒体で読んでいましたが、現在はスマホのアプリでも読めます。

専門記述の対策

専門記述は1次試験の勉強が対策になる

ここまでは主に作文と小論文の対策について書いてきました。最後に専門記述の対策に触れておきます。専門的な内容を書くと聞くと、別に時間を取らなければいけないように感じますが、実はそうではありません。普段やっている勉強が、そのまま対策になっているからです。

過去問と見本の確認は同じ

専門記述の対策についても、過去の出題内容の確認や、参考書等に載っている見本の論文を読んで基本的な書き方を学ぶというやり方は同じです。作文や小論文と、進め方が変わるわけではありません。

1次試験の勉強がそのまま対策になる

出題される課題に答えるための知識については、専門科目の勉強を行なっていく中で身につく知識で十分対応が可能です。そのため、普段の対策としては1次試験の勉強を行うことが専門記述の対策となります。どの科目を勉強するのかは 公務員試験の科目一覧 で確認してください。

国税専門官で憲法を選んだ経験

私が専門記述を書く機会があったのは国税専門官の試験でした。選択した科目は憲法でしたが、専門科目の勉強での知識で十分対応できました。

私の周囲では民法を選択した人が多かったですが、みんな専門科目の勉強で学んだ知識で十分対応できていました。

論文試験の対策のよくある質問

論文試験の対策のよくある質問 受験生が迷う7つの疑問

ここまでで対策の全体像は見えてきたと思いますが、いざ始めようとすると細かい迷いが出てくるはずです。最後に、論文試験の対策についてよく出る疑問をまとめておきます。

論文試験の対策はいつから始めればよいですか

実際に文章を書いての対策は、試験の4か月前くらいから始めるのがいいようです。私が受講していた公務員講座でも、それくらいから対策が始まりました。1次試験の範囲のインプットが終わるくらいのタイミングです。ただし新聞での情報収集だけは、4か月前ではなく日々行うことをおすすめします。

論文試験の対策は独学でもできますか

できますが、難しい面があります。採点について明確な基準が不明で、どのような論文が評価されるのか分からないためです。予備校は過去の多くの情報の蓄積からそれを把握していますが、同じ情報を個人的に集めることはとても難しいです。

独学の場合は何をすればよいですか

4つあります。過去の出題内容を確認すること、参考書等で出来上がっている論文を読むこと、ホームページ等で政策等を確認すること、新聞等で情報収集を行うことです。

論文はどのような構成で書けばよいですか

序論、本論、結論というのが基本的な構成です。参考書等に載っている見本の論文を読む際に、この構成を意識しながら読むと身につきやすいと思います。

練習で書くときに気をつけることはありますか

時間を計り、実際の試験時間と同じ時間で書いてみてください。試験時間は60分から80分程度、文字数は800字から1,200字程度です。本番でどれくらいのペースで書けばいいかが分かるため、とても効果的です。

新聞を毎日読む時間がありません

私もそうでした。社説やコラムに絞って読み、1面は見出しだけ目を通すという形にしていました。あわせて「速攻の時事」を毎日1単元ずつ読めば、論文の対策と時事問題の対策を同時に進められます。

専門記述のために別の勉強が必要ですか

必要ありません。出題される課題に答えるための知識は、専門科目の勉強を行なっていく中で身につく知識で十分対応が可能です。私は国税専門官で憲法を選択しましたが、専門科目の勉強での知識で対応できました。

論文試験の対策のまとめ

論文試験の対策のまとめ 書けば必ず上達する

今回の記事では「論文試験の対策」について書かせてもらいました。論文試験の対策として、予備校の講座を利用することを基本的にはおすすめします。理由としては、1.論文試験の基礎等が学べる、2.自分の書いた論文を添削してもらえる、この2つが挙げられます。

論文は採点の基準がはっきりせず、どのような論文が評価されるのかを個人で把握するのはとても難しいです。予備校は過去の多くの情報の蓄積からそれを把握しているため、独学では届かないところまで対策ができます。私自身、自分ではよく書けたと思った論文が赤ペンだらけで返ってきて、このまま本番を迎えていたら危なかった、と言われました。

この記事の振り返り
  • 論文は採点の基準が分かりにくい
  • 予備校では基礎を学び添削してもらえる
  • 独学なら過去問と見本と政策と新聞
  • 専門記述は1次試験の勉強が対策になる
  • 書く対策は試験の4か月前から

独学で対策を行う場合は、次の4つを行いましょう。1.過去の出題内容を確認する、2.参考書等で出来上がっている論文を読む、3.ホームページ等で政策等を確認する、4.新聞等で情報収集を行う、です。

過去問と見本で書き方の型をつかみ、実際に時間を計って書いてみる。志望先の政策を調べて、自分の考えを持っておく。新聞は社説やコラムだけでも毎日読み、速攻の時事と併せれば、そこまで時間をかけずに続けられます。

専門記述についても、過去の出題内容の確認と、見本を読んで書き方を学ぶというやり方は同じです。答えるための知識は、専門科目の勉強を行う中で身につく知識で十分対応が可能です。普段の1次試験の勉強が、そのまま専門記述の対策になります。

実際に文章を書いての対策は、試験の4か月前くらいから始めれば十分間に合います。ただ、志望先のホームページを1度見ておくことだけは、今からでもやっておいてください。私はそれをやらずに、書けるはずだったものが書けませんでした。

論文と同じく、独学で対策しづらいのが面接です。そちらについては 面接試験の対策 に書いています。予備校を使うかどうかで迷っている方は、予備校と独学の比較 を読んでみてください。私は予備校と独学の両方を経験しています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。