論文試験は筆記試験や面接試験と同じく、どの官庁や役所の試験でも行われます。そのため、しっかりと対策を行う必要があります。ところが一口に論文試験といっても中身は1つではなく、受ける試験によって出される課題がまったく変わります。

こんな疑問はありませんか
  • 論文試験の種類
  • 作文と小論文の違い
  • 自分が受ける試験の出題
  • 文章が苦手でも通るのか
ケン
ケン

論文って、どれも同じようなものじゃないんですか。

ユウ
ユウ

違うんですよ。自己PRを書く試験もあれば、法律の知識を書く試験もあります。

ケン
ケン

それは、知らずに受けたら困りますね。

ユウ
ユウ

困ります。まず自分が受ける試験で何が出るのかを確かめるところからですね。

この記事では、まずは論文試験の種類、そしてそれぞれの内容について説明します。あわせて、どの官庁や役所でどの形式が出るのかも整理しました。筆記試験から内定までの流れ全体は 公務員試験の流れ にまとめているので、今どの段階を準備しているのかを確かめたい方はそちらもどうぞ。論文試験はどのようなものなのか、この記事を参考にしていただけたら幸いです。

論文試験の5つの種類

論文試験は5種類ある

論文試験は大まかに分けて5つに分かれます。作文、小論文、専門記述、政策論文、総合論文です。作文と小論文は分ける場合と同じものとして扱う場合とありますが、この記事では分けて書かせてもらいます。呼び方が違うだけでなく、書く内容も、必要になる準備もまるで別物です。それぞれの特徴について詳しく書いていきます。

作文の特徴

主に自己PR等についての課題が出題されます。

例えば「あなたが〜市の職員として働くことについての強みを述べなさい」「あなたが〜市の職員として働く上で、理想の職員像について述べなさい」等、自己PRに近い内容の課題だと考えてください。

小論文の特徴

主に社会問題や環境問題等、その時の時事に関する内容の課題が出題されます。教養論文と呼ばれることもあります。

例えば「〜県においては年々人口が減少している、解決するためにはどうしたらいいか述べなさい」や「地球温暖化が進んでいるが、対策について述べなさい」等の内容が出る形です。

作文と小論文の違いの比較表 出題の中身 課題の例 出る試験
作文と小論文の違い

専門記述の特徴

主に政治や経済、法律等についての課題が出題されます。作文や小論文と比べて内容が専門的で、回答をするのに知識が必要となります。

用語の意味について説明する問題や、事例が載っていて、問題点を挙げて考えを説明する問題等、様々なパターンがあります。どの科目が出るのかは受ける官庁によって変わるため、公務員試験の科目一覧 とあわせて確認しておくと準備しやすいはずです。

小論文と専門記述の違いの比較表 出題の中身 必要なもの 出る試験
小論文と専門記述の違い

政策論文と総合論文

この2つの論文については国家公務員総合職試験のみで出題があります。私は受験したことがなく、経験を基に説明することができないため、人事院のホームページで公表されている説明のみとさせていただきます。

人事院が公表している説明
  • 政策論文=政策の企画立案に必要な能力その他総合的な判断力及び思考力についての筆記試験
  • 総合論文=幅広い教養や専門的知識を土台とした総合的な判断力、思考力についての筆記試験

政策論文も総合論文も、過去の問題を見ると非常に複雑な問題が出題されています。自分ならどう書くかと考えてみましたが、なかなか思いつきません。非常に難易度が高いです。

各官庁と役所で出る論文試験

官庁や役所ごとに論文の出題が違う

ここからは各官庁や役所で行われる論文試験について説明します。同じ公務員試験でも、受ける先が変われば出される課題はまったく別のものになります。自分の志望先がどの形式なのかが分かれば、何を準備すればよいのかもはっきりします。私が実際に受けた試験については、出題された課題の中身も書いていきます。

作文が出る試験

警察官や市役所で出題されます。私は警察官の試験でこの論文の試験を受験しました。

内容は「学生の頃に頑張ったこと」というような内容でした。自己PRと同じような内容のため、書きやすかったです。特にこれといった失敗をしたことはありませんでした。警察官や市役所がどういう位置づけの仕事なのかは、公務員の種類 で整理しています。

小論文が出る試験

国家公務員一般職や裁判所事務官の一般職、県庁、市役所等で出題されます。1番出題が多い形式だと思います。

私が県庁や市役所を受験した際に出題されたのは、「〜市の〜商店街は現在店舗の閉店が相次いでいる、店舗を誘致し商店街を活性化させるにはどうしたらいいか」や、「〜県においては年々人口が減っている、今後人口を増やすためにはどうしたらいいか」等の課題が多かったです。その県や市において現在問題となっていることについての課題が、とても多く出ました。

ケン
ケン

受ける自治体のことを調べておかないと書けないんですね。

ユウ
ユウ

そうなんです。一般的な話だけでは、書きたくても書けません。

また、国家一般職では「地球温暖化が進行しているが、どのような対策を行うべきか」や「日本の観光客を増やすためにはどのような施策を行うべきか」のような、国単位の現在の問題についての課題が出題されることが多かったです。なお国家一般職は、1次試験に合格した後に官庁訪問があります。その流れは 官庁訪問とは でまとめています。

専門記述が出る試験

国税専門官や財務専門官、労働基準監督官、法務省専門職員等で出題されます。国税専門官や財務専門官では会計学や民法等、労働基準監督官では労働法等、法務省専門職員では心理学等、それぞれの官庁で使う知識の科目について出題されます。

私は国税専門官を3回受験し、3回とも憲法を選択しました。過去の判例に基づいた事例が出題され、それについて憲法上の問題について論じていく、という内容でした。

論文試験を恐れなくてよい理由

文章が苦手でも対策すれば論文試験は通る

ここまで読んで、専門記述のあたりで身構えてしまった方がいるかもしれません。判例をもとに憲法上の問題を論じる、と言われれば難しそうに聞こえます。ただ、私自身は文章を書くことがとても苦手なまま受験を始めました。それでも論文試験で大きくつまずいたことはありません。なぜ恐れなくてよいのかを書いておきます。

文章が苦手でも対策で乗り切れる

作文や小論文、専門記述ですが、どの試験もしっかりと対策すれば問題はありません。私は文章を書くことがとても苦手でしたが、対策を行った結果、どの試験においても大きな失敗をしたことはありませんでした。

専門記述は見た目ほど難しくない

私が受験した専門記述について「過去の判例に基づいた事例が出題され、それについて憲法上の問題について論じていく」という出題がされたと書きました。

とても難しそうに見える方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。出される形にはパターンがあり、そこに慣れてしまえば手が止まらなくなります。

ケン
ケン

苦手なまま受けても、なんとかなるものなんですね。

ユウ
ユウ

なりますよ。私がそうでしたから。大事なのは、先に形を知っておくことです。

恐れずに対策から始める

具体的な対策については 論文試験の対策 に書いています。恐れずに一緒に対策を行っていきましょう。

裁判所事務官の論文試験

裁判所事務官の論文試験はボールペンで書く

ここからはちょっとした雑談になりますが、知っておかないと本番で確実に焦る話なので書いておきます。裁判所事務官の論文試験には、他の試験にはない決まりがあります。それは、使える筆記用具です。私はこれを甘く見て、1回目の受験で解答用紙をひどいことにしました。

使える筆記用具はボールペンのみ

裁判所事務官の論文試験では、使用できる筆記用具が「黒のペン又は黒のボールペン(インクが容易に消せるものを除く。)」となっています。私は普段、長文をボールペンで書くことは無いため、慣れない作業にとても苦戦しました。

書き直すと解答用紙が汚れる

ボールペンのため、途中誤字があった場合は横線で引いて消さないといけません。誤字なら少しの文字に線を引くだけなのでまだいいですが、まれにある程度文章を書いたところで「あれ、これは違う」と何行か消すこともあります。

初めて裁判所事務官の論文試験を受けた際には、訂正を繰り返して解答用紙をぐちゃぐちゃにしてしまいました。

出題形式は小論文に変わっている

ちなみに、裁判所事務官の一般職での論文試験は現在小論文が出題されるのですが、以前は専門記述で憲法が出題されていました。総合職では現在も専門記述が出題されています。

司法試験の論文試験もボールペンで記入するようなので、私が司法試験を受験していたら、知識どうこう以前に文字を書くことから苦労したかもしれません。

論文試験のよくある質問

論文試験のよくある質問 受験生が迷う7つの疑問

ここまでで論文試験の全体像はつかめたと思いますが、自分の受ける試験に当てはめると迷うところが出てくるはずです。最後に、論文試験についてよく出る疑問をまとめておきます。

公務員試験の論文にはどのような種類がありますか

作文、小論文、専門記述、政策論文、総合論文の5つです。作文と小論文は分ける場合と、同じものとして扱う場合があります。

作文と小論文は何が違いますか

作文は主に自己PR等についての課題が出題されます。小論文は主に社会問題や環境問題等、その時の時事に関する内容の課題が出題されます。自分について書くのか、世の中について書くのかの違いだと考えると分かりやすいです。

小論文ではどのような課題が出ますか

県庁や市役所では、その県や市において現在問題となっていることが多く出ます。私のときは商店街の活性化や人口減少が出題されました。国家一般職では地球温暖化や観光客の増加といった、国単位の課題が多かったです。

専門記述ではどの科目が出ますか

官庁ごとに、その官庁で使う知識の科目が出ます。国税専門官や財務専門官では会計学や民法等、労働基準監督官では労働法等、法務省専門職員では心理学等です。私は国税専門官を3回受験し、3回とも憲法を選択しました。

政策論文と総合論文はどの試験で出ますか

国家公務員総合職試験のみで出題されます。私は受験したことがないため、人事院が公表している説明を紹介するにとどめています。

裁判所事務官の論文試験で気をつけることはありますか

使用できる筆記用具が黒のペンまたは黒のボールペンに限られている点です。書き直すときは横線で消すことになるため、普段から鉛筆で書いている方は慣れておいた方がよいです。

文章を書くのが苦手でも合格できますか

できます。私は文章を書くことがとても苦手でしたが、対策を行った結果、どの試験においても大きな失敗をしたことはありませんでした。高得点とまではいかないかもしれませんが、論文試験をクリアして合格できています。

論文試験の種類のまとめ

論文試験の種類のまとめ 種類が分かれば動ける

今回の記事では「論文試験の種類」について書かせてもらいました。論文試験は筆記試験や面接試験と同じく、どの官庁や役所の試験にも出題されます。

この記事の振り返り
  • 作文=自己PRに近い課題
  • 小論文=社会問題や時事の課題
  • 専門記述=政治や経済や法律の課題
  • 政策論文と総合論文=国家総合職のみ
  • 裁判所事務官はボールペンで記入

どの論文試験についても、しっかりと対策を行えば問題はありません。私自身も対策を行うことで、高得点とまではいかないかもしれませんが、論文試験をクリアして合格できています。まずは自分の志望先でどの形式が出るのかを確かめるところから始めてください。

私が行った対策や、気をつけるべき点等は 論文試験の対策 に書かせてもらいましたので、参考にしていただけたら幸いです。論文と並んで対策がしづらいのが面接です。あわせて 面接試験の種類 と 面接試験の対策 も読んでおくと、2次試験の全体像がつかめます。

なお、論文の対策を独学で進めるか、予備校の力を借りるかで迷っている方もいると思います。私は大学時代に予備校、働きながらの受験は独学と、両方を経験しました。その比較は 予備校と独学の比較 に書きました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。